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2006年度を終えて

2007/01/31

今年度をふりかえって。

今年度は監督在任中の過去4年間でチーム作りという点では一番苦労した年でした。
ただ、苦しい中でもいろんな経験を積んで、チームと個人が一番成長できた実りある年でもありました。
昨年度が対抗戦全敗の最下位という結果を受けて、昨年のシーズン終了時から何を起点に、どこを軸にチームを創って行くべきか、風呂敷を拡げなおしてみました。
あらためてチームに何が欠けていて、勝つためには何をしなければならないのかを常に問い続けてきた一年でありました。

チームスローガンは「FOR WIN」。
今年はまず一つ勝ち抜くために、また昨年のチームを追い抜くために、あらゆる問題点の洗い出しと課題の整理、特にディフェンスの見直しを徹底的にやり抜いてきました。
特に今年は例年以上に身体作りを頑張りすぎた為か、春から夏のシーズンは怪我人に泣かされ続けて、チームの仕上りがかなり遅れていました。
しかし、依田主将を中心とした現役スタッフの丁寧なチーム作り、彼の想いと粘り強さが次第にチームに浸透し、最大のターゲット立教戦を常に見据え、「結果を残す」という強い意志を持ち続けてまいりました。
そして、夏合宿後半から今年の形が出来始め、少しずつですが、着実に力を付けてきました。

シーズン突入後も公式戦が更にチーム力を高めていく場として捉え、どの試合も一戦一戦テーマを持ち続けて戦い、出てきた課題を一つずつ克服し、今年のスタイルを見失うことなく一歩ずつ構築してきました。

立教戦を迎える直前の試合、慶応戦では、今年一番のTRYがありました。
後半40分に獲得した3本目のTRYです。
これは、私が現役時代に慶応と戦ってロスタイムに逆転TRYを決めた時をリマインドさせる、非常に意味のある全員の気持ちの入ったものでした。
試合後のレセプションでも慶応側のスピーチで語られていましたが、慶応はあがり10分の失TRYは絶対に取られてはいけない、
死守しなければならないものとして鉄則を組んでいるようでしたが、その状態を打ち破ってものにしたTRYですから非常に価値があり、次の試合に繋がる大きな自信になるものでした。

そして、来るべき立教戦では、ここまで結果が出なかった様々な思い、昨年全敗の悔しさ、過去2年の雪辱・・・臥薪嘗胆となるべく、53名の部員の切実なる想いをひとつひとつのタックルに込めて、身体が壊れる寸前まで刺さり続け、走り続けた、常に気持ちが前に出続けた今年一番の試合を実現できました。
たかが1勝、されど1勝。この1勝がチームに与えた力は、計り知れないものがあります。

そして、この勢いを継続して迎えた筑波戦。
序盤の不安はあったものの、時間が経つごとに自分達のラグビーが筑波に通用する実感がワンプレーごとに伝わり、やがて彼らの中に「行けるぞ!」という気持ちが芽生え、「筑波に勝てる!」という確信に近い気持ちが現れるところまで、競合った試合が実現できました。
この「勝てる!」と言えるところまで、漕ぎ着ける事が出来たのは非常に意味が大きく、この悔しさと自信は必ずや来年度に結果を残す事で、繋げて行きたいと思います。

今年度を通じて再び彼らの中に芽生えてきたものとして、『なせば成る』、やれば出来るという失いかけていた自信を、自分達の手で掴み取った事です。

来年度も、意のあるところに必ず道が開ける事を信じて、今年度以上に前を向いて突き進んで参ります。
一年間ご声援どうもありがとうございました。
また来年度も引続きご声援の程、宜しくお願い申し上げます。


監督 鷲塚高広